アルツハイマー型認知症【症状】
アルツハイマー型認知症は「認知症状」を伴う病気の一つになる。
アルツハイマー型認知症以外にも「認知症」は存在し、その症状や発症の割合も異なってくる。
アルツハイマー型認知症(認知症全体に対する割合60~70%)
アルツハイマー型認知症の症状は
—昔のことは思い出せるが、ごく最近のことが思い出せなくなる「短期記憶障害」
—家の場所が分からない、日時を把握できない、他人を家族と間違える「見当識障害」
—物事を順序立てて計画して実行できなくなる「実行機能障害」
—着替えができなくなったり、箸やスプーンを使って食事ができなくなるなどの「失行」
—計算、言語などの「能力の低下」
上記の症状が個人差と進行度によって現れることがある。
また、これらの症状が影響し、うつ症状・無気力・暴力・暴言などの精神的症状を誘発させる可能性もある。
血管性認知症 (20%)
血管性認知症の症状は
—判断力、記憶力は保たれることが多いが
「せん妄」を引き起こすことで急激に認知機能が低下する危険性がある。
—意欲や自発性がなくなり、落ち込む様子が見られます。
また感情のコントロールができず、些細なことで泣いてしまったり興奮することがある。
—手足の痺れや感覚の麻痺などの症状が現れることがある。
レビー小体型認知症(10%)
レビー小体型認知症の症状は
—認知機能に波があり、記憶力・理解力の良い時と悪い時があるため、
病気であることに気が付きにくい症状になる。
前頭側頭葉変性症
前頭側頭葉変性症の症状は
—脳の前頭葉・側頭葉の萎縮により、理性的な行動や言葉が出なくなる。
—万引きなどの反社会的行動を取ろうとする。
—同じ行動、発言を繰り返す。
—無関心・無気力な様子になる。
—共感することができなくなる。
—食事や趣味趣向に変化が起きる
—目標を立て、達成のために計画を立てて行動できなくなる(遂行機能障害)
—言葉が出にくくなる(失語症
アルツハイマー型認知症【原因】
アルツハイマー型認知症の原因の一つして「アミロイド仮説」というものがある。
アミロイド仮説
「アミロイドβ」と呼ばれるベタついたタンパク質が神経細胞外に蓄積され、その後神経細胞内にてタウタンパク質という物質により、神経細胞が死んでしまうことで脳が萎縮するという説である。
この説から「アミロイドβ」を取り除くことで認知症を改善できると考え、数多くのアミロイドβ除去薬が開発された。
しかし、アミロイドβを除去できたとしても病気は回復できず、アミロイドβを標的に開発された治療薬候補の99.6%には効果がないとしている。
今現在「アルツハイマー型認知症」の治療薬として使用されているものは、症状の進行を遅らせるもので病気そのものを根本から治療するものではない。
治療薬の確率がされないことからアルツハイマー型認知症は「不治の病」の烙印を押されている。
「アミロイド仮説」から一つ派生し「なぜアミロイドβが脳に溜まってしまうのか」を掘り下げて研究をした医師らがいた。神経変性疾患の世界的権威であるデール・ブレデセン氏を含めた研究チームによって新たな事実が確認されている。
アルツハイマー型認知症【真の原因】
デール・ブレデセン氏たちの研究により、アミロイドβの蓄積は「脳の正常な防御反応によるもの」であることが突き止められた。
つまり、アミロイドβはある存在から脳を守るために作られたということである。
では、アミロイドβは何から脳を守っているのか?
脳は①炎症②栄養不足③毒素の三つの脅威に晒されていることが分かっており、これらの脅威から脳を守るためにアミロイドβが集められている。
つまり、アミロイドβは単なるゴミではない。
しかし、三つの脅威が長期間続いた場合、本来は脳を守るはずのアミロイドβが過剰に分泌されてしまい、逆に脳神経を破壊することが判明している。
アミロイドβをいくら取り除いたとしても、①炎症②栄養不足③毒素の三つの脅威を取り除かない限りはアミロイドβは延々と分泌され、脳の破壊を防ぐことはできないということである。
2018年3月1日 著者:デール・ブレデセン 監修:白澤卓二 訳者:山口茜 発行所:ソシム株式会社『アルツハイマー病 真実と終焉 ”認知症1150万人”時代の革命的治療プログラム』
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