アルツハイマー型認知症【炎症】
炎症とは
外敵からの攻撃に対する体の防御反応で、病原菌が原因になる場合やマーガリンなどに含まれる「トランス脂肪酸」・糖質の過剰摂取が原因で起こることが分かっている。
ウイルスやバクテリア、菌類、寄生虫まで多くの外敵に対して、体の免疫システムが活性化し、これらの病原体と戦う。
その際に活躍するのが「白血球」と呼ばれる免疫細胞である。
この白血球が病原体を飲み込み貪食という形で、抑制・退治することで体を守っている。
その際に起こるのが「炎症」である。
アルツハイマー病で亡くなった方の脳の中を観察すると、炎症を引き起こす多くの病原体が見つかる。
口内のバクテリア、鼻腔から入り込んだカビ、唇からヘルペスなどのウイルス、ダニの咬み傷からライム病病原体などが発見されている。
これらの病原体から脳を守るため、白血球が炎症を起こし、その炎症から脳を守るためにアミロイドβが生成される。
そして、終わりが見えない炎症反応に対して、アミロイドβも延々と増え続け、増え過ぎたアミロイドβが脳細胞を殺してしまう。
アルツハイマー型認知症【栄養不足】
慢性化した炎症によってアミロイドβが過剰に分泌され、脳細胞が破壊されアルツハイマー病を発症させてしまう。
しかし、人によっては脳内にアミロイドβが蓄積されていても、記憶力などの脳の機能に影響を受けていない人もいる。
なぜ人によってアミロイドβからの影響に差が出るのか?
その理由として考えられる二つの仮説が存在する。
仮説①「教育の差」
脳の活動を促すような「十分な教育」「知的活動」を一生を通して行うことにより、アミロイドβによる脳細胞の破壊に耐えられるだけの脳組織の余裕がある。
仮説②「アミロイドβへの抵抗力の差」
アミロイドβからの破壊から脳を守るための体のメカニズムがあり、その抵抗力の差によってアミロイドβによる脳組織の喪失に個人差が出ている。
上記二つの仮説のうち②「アミロイドβへの抵抗性の差」に着目し
この「抵抗力」を高める上で「十分な栄養素」が必要とされている。
もっとも良い状態で脳を動かすには
・特定のホルモン
→エストラジオール(女性ホルモン)テストステロン(男性ホルモン)
・栄養素
→ビタミンDや葉酸など
・神経と脳組織の補助因子(動きを助ける物質)
→脳由来神経栄養因子(運動によって作られる化合物)
上記の栄養素の存在により、脳組織の活性化とアミロイドβの発生を抑制し
脳の破壊を抑えることができるとされている。
アルツハイマー型認知症【毒素】
蜂に刺されたり、蛇に噛まれたりなど、体内に毒素が入り込んだ際に毒を無力化するためには「血清」が必要になる。
アミロイドβは脳に
・銅
・水銀
・カビが発生させるマイコトキシン
上記の有毒金属や生物毒素が入り込んだ際に、結合することで脳組織を守っていることがわかっている。
つまり、アミロイドβは血清と同じような役割があるということになる。
毒素の増加に伴い、アミロイドβの量も増加していくため、アルツハイマー病の改善するためには毒素を減らし、アミロイドβの生成を減らすことが求められる。
2018年3月1日 著者:デール・ブレデセン 監修:白澤卓二 訳者:山口茜 発行所:ソシム株式会社『アルツハイマー病 真実と終焉 ”認知症1150万人”時代の革命的治療プログラム』
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