ホモシステイン値【原因】
ホモシステインとは
ナッツ・牛肉・豚肉・鶏肉・チーズ・貝類・大豆・卵・乳製品に含まれるメチオニンと呼ばれる必須アミノ酸が体内で変換されて作られたアミノ酸の一種である。
体内で変換されたホモシステインは再びメチオニンやシステイン、アミノ酸に変換される。
メチオニン・システインは、肝臓機能に影響し血中コレステロール値をコントロールし、動脈硬化を防いだり抜け毛・白髪を抑える働きがある。
アミノ酸は体の組織を作る原料となるだけでなく、ホルモン、抗体、酵素として体の維持に大きく関わっている。
ホモシステインは、メチオニン・システイン・アミノ酸を作り出す原料として重要な存在である。
しかし、血液中にホモシステインが多く存在する状態「高ホモシステイン血症」になると、血管内にホモシステインが蓄積し、動脈硬化・脳梗塞・心筋梗塞・ガンなどの原因となる。
加えて、血管で蓄積したホモシステインは炎症を引き起こすことで、アルツハイマー型認知症の大きな原因の一つになる。
では、なぜ血液中のホモシステイン値が高くなるのか。
ホモシステインがメチオニンやシステイン・アミノ酸に変換されるには、他の栄養素の力が必要になる。
・ビタミンB12
魚介類、藻類、肉類、卵類、乳類に多く含まれるビタミン。
細胞に酸素を運ぶ「赤血球」の生成にも関わる。
・ビタミンB6
赤身の魚や、ヒレ肉やささみなど脂質の少ない肉類に多く含まれる。
植物性の食品では、バナナやパプリカ、さつまいも、玄米などに含まれる。
タンパク質を分解し代謝する役割もある。
・葉酸
野菜ではえだまめ、肉は鶏・レバー、海藻では焼き海苔などに多く含まれる。
ビタミンB12と同様に、赤血球の生成に関わっている。
・アミノ酸ベタイン
エビ、カニ、タコ、イカ、貝類などの水産物から
麦芽、キノコ類、果実など幅広く含まれている。
高脂血症や肝機能の改善に効果があると言われている。
上記4つの栄養素の助けがないと、ホモシステインは有効な栄養素に変換されずに血中に残り、認知症をはじめとした生活習慣病を引き起こす原因となってしまう。
実際にホモシステイン値が高い状態、血液1Lに対して6μmol/L(6マイクロモル)より上昇するほど、認知症の原因である脳の海馬の萎縮が速くなることが分かっている。
ホモシステイン値【改善】
ホモシステインの数値が6μmol/L(6マイクロモル)以上の場合は、ホモシステインを有効な栄養素に変えてくれる栄養素「ビタミンB6」「ビタミンB12」「葉酸」を補給することで改善が見込める。
補給方法として「サプリメント」が効果的であるが、ビタミンには「非活性型」「活性型」がある。
私たちの多くは摂取したビタミンを活性型にすることは難しいため、すでに活性化したビタミンを摂取することが望ましい。
・ビタミンB6の活性型[ピリドキサール5リン酸(P5P)]毎日20~50mg。
・ビタミンB12の活性化型[メチルコバラミン(メチル-B12)][アデノシルコバラミン]を合計で毎日1mg。
・葉酸の活性型[メチルテトラヒドロ葉酸(メチル葉酸)]を毎日0.8mg(最高で5mgまで)
上記の三つの栄養素を摂り続け、3ヶ月経過した時点でのホモシステインの値を検査し、6μmol/L(6マイクロモル)いかに下がっているかを確認する。
数値が下がっていなかった場合は追加でグリシンベタイン(トリメチルグリシン)を毎日500mg摂取するだけで良い。
2018年3月1日 著者:デール・ブレデセン 監修:白澤卓二 訳者:山口茜 発行所:ソシム株式会社『アルツハイマー病 真実と終焉 ”認知症1150万人”時代の革命的治療プログラム』
2019年7月24日 著者:牧野直子 発行所:日本文芸社 『眠れなくなるほど面白い 図解 栄養素の話』
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