糖尿病患者さんは要相談!MCTオイルの危険性とは

MCTオイル

糖尿病患者さんは要相談!MCTオイルの危険性とは

MCTオイルとは、体脂肪の燃焼によって作られるエネルギー源「ケトン体」の生成を促し、ブドウ糖に頼らない代謝に移るサポートをしてくれます。

糖尿病は血糖値をコントロールするインスリンの働きが鈍くなったり、そもそも分泌量が極端に減ってしまったりすることで起こる病気です。

糖尿病を改善、コントロールするのにMCTオイルおよびケトン体が活用できるのか?それとも危険な判断なのか、解説していきます。

 糖尿病患者さんは要相談!MCTオイルの危険性とは そもそも糖尿病とは

糖尿病には大き加えて二つの種類があります。

  • 1型糖尿病
    体質的な問題か膵臓そのものに原因があるのかインスリンの分泌が上手くいかずに血糖値の上昇を招くことで症状が現れます。
  • 2型糖尿病
    日々の食生活によって高糖質なものを食べ続けることによって、インスリンが常に分泌され続け、次第にインスリンによる糖の代謝が鈍化する状態「インスリン抵抗性」を起こすことで発症すると考えられています。

インスリンが働くことで、血中のブドウ糖はエネルギーとして消費され、私たちの体を動かしてくれます。そのインスリンが分泌できなくなったり、効果を発揮できない状態になることで糖尿病は発症します。

ではブドウ糖の代わりになるエネルギー源を利用すれば良いのでは?

そこでケトン体がブドウ糖に変わるエネルギー源として注目されています。

 糖尿病患者さんは要相談!MCTオイルの危険性とは インスリンがいらない?

脂肪酸から作られるケトン体はエネルギーになる際にインスリンを必要としません。そのため、インスリンが分泌できなくても、インスリン抵抗性があってもエネルギー切れを起こすことはありません。

脳のエネルギー源としてブドウ糖が唯一無二であり、代わりがないと考えられてきましたが、ケトン体も脳のエネルギー源として利用可能です。

ケトン体がブドウ糖の代わりにエネルギー源になれないのは、網膜や赤血球の二つだけです。

ケトン体をメインにしたエネルギー代謝にして、ブドウ糖はサブとすれば、大幅な血糖値のコントロールは必要なると考えられ、糖尿病における血糖コントロールのストレスは減るでしょう。

またインスリン注射によって血糖コントロールをするのが、今の日本の糖尿病の標準治療になりますが、インスリンを投与することにリスクがあります。

インスリンにはがん細胞の増加を促す作用があるのでは?という話があります。銀座東京クリニック院長の福田一典氏は「がん細胞の表面にあるインスリン受容体にインスリンが結合すると、細胞増殖のシグナルが活性化し、がんの発育や転移が促進される」とのことです。

またインスリンが過剰に存在すると、認知症の原因物質と思われるアミロイドβの分解が鈍化するため、認知症のリスクを上げることも考えられます。

 糖尿病患者さんは要相談!MCTオイルの危険性とは 切り札となる治療薬

糖尿病におけるインスリンを用いた治療が本当に必要なのか?他に治療薬はないのか?ということで今注目されているのが「SGLT2阻害薬」です。

SGLTとはブドウ糖を運搬しているタンパク質の一種です。その中でもSGLT2は腎臓で尿糖として排泄される糖を再吸収する働きがあります。

このSGLT2の働きを阻害して、糖を尿として排出するのがSGLT2阻害薬になります。

血管疾患を伴った糖尿病患者に対してSGLT2阻害薬がどのような効果を表すのかを調べら「EMPA-REG OUTCORE」という大規模試験が行われています。

世界42カ国の血管疾患のある2型糖尿病7028人が対象になりました。

試験方法は被験者に対して標準的な治療にSGLT2阻害薬の「エンパグリフロジン」を使いした人と、プラセボを追加した人をランダムに2つのグループに分けてその効果を追跡調査したものです。

結果はエンパグリフロジン追加チームで心血管死亡・非致死的心筋梗塞・非致死的脳卒中の複合項目において、発症リスクが14%の減少。

さらに心血管死亡は38%減少、総死亡率のリスクは32%減少、心不全による入院リスクは35%減少という結果になりました。

追加でサブ解析が行われ、腎機能の低下に対する効果も報告されています。

他にもSGLY2阻害薬の効果を30万人規模(欧米6カ国)の医療データベースで解析した「CVD-REAL」試験ではSGLT2阻害薬3種の治療によって、総死亡率が51%、入院リスクが39%も減少したことが発表されています。

血管・腎機能は糖尿病の合併症として、高く危険視されているものばかりです。それらのリスクを大きく減らすことができる糖尿病治療薬はSGLT2阻害薬のみです。

なぜSGLT2阻害役にだけここまでの効果があるのか?

その理由に体内の余分な糖を排出するSGLT2阻害薬にのみ「ケトン体を上昇させる作用があるため、このような効果が現れたのではないか?」という仮説が立てられています。糖尿病に対して「ケトン体」が効果的である根拠としては申し分ないデータなのではないでしょうか。

 糖尿病患者さんは要相談!MCTオイルの危険性とは MEC食とMCTオイル

糖尿病に対してケトン体が効果的であることはお話ししてきました。

しかし、1型・2型ともに効果を発揮するのでしょうか?参考書籍「最強の油・MCTオイルで病気知らずの体になる!」では糖質制限のみ、インスリンなしで生活されている方々のお話が載っています。

インスリンなしで分娩した1型糖尿病の妊婦さん(33歳)は血糖値297mg/dl(基準値は92mg/dl)ヘモグロビンA1cは11.5%(基準値は6.2%未満)の状態で、大学病院からが中絶を勧められたそうです。その後宗田マタニティクリニックにて、インスリンを使わず糖質制限食だけで、血糖値をコントロールし、39週目で赤ちゃんを正常分娩しています。

1型糖尿病の高校生(15歳)は血糖値185mg/dl、ヘモグロビンA1cは6.3%一生インスリンが必要であることを担当医から説明されていたそうです。この方は自身で糖質制限を始め、2年経った現在(2018年)もインスリンを使わずに血糖をコントロールしているそうです。その結果、1型糖尿病の指標である抗GAD抗体が陰性になったそうです。

あくまで一事例でしかありませんので、鵜呑みにするのは頂けませんが、1型糖尿病でもインスリンなしで血糖をコントロールすることは可能だと思われます。

私は糖尿病ではありませんが、健康な体づくりのためにMEC食という軽い糖質制限とMCTオイルを組み合わせて実践しています。

予防という面では自身で考えて、MEC食・MCTオイルを取り入れることをおすすめします。

ただ、糖尿病の治療ということであれば、信頼できる医師の監督のもと、糖質制限とMCTオイル、またSGLT2阻害薬の活用などを考えながら自身の血糖コントロールを実践していくべきでしょう。


 糖尿病患者さんは要相談!MCTオイルの危険性とは参考書籍


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