MCTオイルでコレステロール値が上がる!?その真相は?

MCTオイルとは、100%中鎖脂肪酸で構成され、摂取すると体脂肪として蓄えられず、すぐにエネルギーに変わる油です。
この効果を取り入れて、体内の体脂肪の燃焼を促す効果があると期待され、ダイエットに用いられています。
MCTオイルは油であり、脂質でできています。脂質を過剰に摂ることで、脂質異常症やコレステロール値の上昇を危険視する方々も多くいます。
ではMCTオイルでコレステロールが上がるのか?健康にどのような影響があるのか?解説と考察をしていきます。
MCTオイルでコレステロール値が上がる!?その真相は?上がらない!?

MCTオイルに含まれる中鎖脂肪酸は、肝臓で代謝されて速やかにケトン体というエネルギー源に変換されます。
そのため、血中の脂質(コレステロール値など)には影響は与えないと考えられています。
そもそも体内のコレステロールの8割は肝臓で生成されたものなので、口から摂取したMCTオイルが血液にそのまま流れることはほぼないのではないでしょうか?
MCTオイルでコレステロール値を上げるよりも、脂肪肝や内臓脂肪の増加によって血液中に脂質が漏れ出す方が血中脂質の上昇に大きく影響を与えるでしょう。
そう考えると、体脂肪の減少を促すMCTオイルはコレステロールの減少を促すとも考えられます。
また一部の論文では、MCTオイルによって血中の中性脂肪の上昇を抑制したという報告もありましす。(1)Geng,etal.(2016).Eur. J. Nutr.,55,931‒940.)(2)Zhou,etal.(2017).J., Agric. Food Chem.,65,6599‒6607.)
MCTオイルでコレステロール値が上がる!?その真相は?大動脈瘤・動脈硬化

コレステロール値と合わせて危険視されるのが、大動脈瘤・動脈硬化の存在です。
大動脈瘤は血管内に血液が溜まり瘤になる症状で、進行することで脳梗塞・心筋梗塞などの命に関わる血管疾患のリスクを上げていきます。
動脈硬化は血管内で血液が固まり、血管が狭く、硬くなり、血圧が高くなることで、心不全や脳卒中などのこれもまた命に関わる病気のリスクを上げます。
大動脈瘤・動脈硬化ともにその原因が血中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)の上昇によるものだと考えられてきました。
しかし、LDLコレステロールは大元の原因ではなく、本当の原因は高血糖による血管の糖化が原因であるという説が有力だと考えられています。
高血糖によって血管が糖化すると、糖化した部分を免疫細胞が異物として反応して、活性酸素を分泌し酸化します。
酸化によって傷ついた血管を補強するために、LDLコレステロールが傷を覆う。その繰り返しで、血管がどんどん厚く硬くなることで動脈硬化が起こるとされています。
つまり、LDLコレステロールは血管を補強していた絆創膏のような存在であり、血管をもろくし、傷をつけさせた根本原因は糖だということです。
MCTオイルはブドウ糖を主力とするエネルギー生成から、体脂肪を燃やしてエネルギーを生成するサイクルに移るサポートをしてくれます。
血糖値を上げるのはブドウ糖だけですので、MCTオイルは間接的に、動脈硬化・大動脈瘤のリスクを下げることにつながっていると考えられます。
MCTオイルでコレステロール値が上がる!?その真相は?まとめ

MCTオイルとコレステロール値および、大動脈瘤、動脈硬化との関係を解説・考察してきました。
MCTオイルはコレステロール値を上げるとは考えづらく、血管疾患に対してもリスクを下げることが考えられると思われます。
もちろん、MCTオイルだけでコレステロールや血管疾患を良くしたり、予防するのは難しいでしょう。一番は食生活を考えながら、MCTオイルを組み合わせて相乗効果を狙うことでしょう!
私はMEC食によって、健康的な体づくりをするとともに、MCTオイルによる相乗効果を感じています。一つの健康習慣にとどまらず、さまざまな方法を組み合わせて自分だけの健康習慣を作り上げていくべきでしょう。
MCTオイルでコレステロール値が上がる!?その真相は?参考書籍

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