MCTオイルで肝臓に負担が?効果的な使い方とは

ダイエットに効果的と言われているMCTオイルは、消化吸収されるとすぐに肝臓に運ばれます。
肝臓にてMCTオイルはケトン体というエネルギー源に変わるのですが、それが肝臓に対して負担になっているのでは?肝機能に影響を与えるのでは?と危惧する方もいます。
そこで今回は、MCTオイルで肝臓にどのような影響があるのか?詳しく解説していきます。
MCTオイルで肝臓に負担が?効果的な使い方とは エネルギーができるまで

まず、私たちの肝臓の中で、MCTオイル(脂肪酸)がどのようにしてエネルギーがつくられるのか?詳しくお話しします。
私たちの肝臓ではブドウ糖(糖質)から作られるエネルギーと脂肪酸(脂質)からつくられるエネルギーがあります。
- ブドウ糖
肝臓に内に貯蔵してあったブドウ糖(グリコーゲン)を変換してエネルギー源に変えます。グリコーゲンは肝臓重量の6〜8%の蓄えしかありません。 - 脂肪酸
グリコーゲンが尽きることで、体内の体脂肪が肝臓に集まり、ケトン体というエネルギー源に変換されます。体内に蓄えられた体脂肪の分、貯蔵があるため飢餓状態にならない限り、底をつくことはありません。
ではMCTオイル(脂肪酸)からケトン体がつくられるまでどのような過程を経るのか、より詳しく説明します。

※参考書籍「最強の油・MCTオイルで病気知らずの体になる!」より
- 脂肪酸は肝臓に入るとき、細胞室内にて「アシルCoA」(丸太)という状態になっています。
- 「アシルCoA」はこのままではエネルギーを作り出すミトコンドリア(暖炉)の中に入れません。
- 「アシルCoA」はミトコンドリアに入りるためにカルニチンと結合します。
- 「アシルCoA」はそのままではエネルギーにできないため、β酸化(薪割り)という代謝経路を経て「アセチルCoA」(薪)になります。
- 「アセチルCoA」になることでミトコンドリア内のTCA回路(暖炉の中で燃える現象)を回してエネルギーを作ります。
- このTCA回路に入りきらなかった「アセチルCoA」が「ケトン体」(エネルギーそのもの)を作り、血液に乗って、全身の細胞でエネルギー源として活躍します。
※補足↓
糖質のエネルギーは落ち葉焚きのように、燃えやすいが燃料切れも早いのです。一方、脂質のエネルギーは、暖炉で薪を燃やすように着火にやや時間がかかりますが、燃え出すと長く、火力も持ちもよく部屋もすぐ暖まります。
燃料の材木は薪にしないと暖に入れられないように、脂肪酸は小さい分子に分けられて(β酸化)初めて薪として使えるようになります。
長鎖脂肪酸は薪割りの段階まで持っていくのに、手間と時間がかかります。一方で中鎖脂肪酸は薪割りに至るまでの時間が非常に少なく済みます。
MCTオイルで肝臓に負担が?効果的な使い方とは 肝臓に優しい

肝臓内でどのようにエネルギーができるのか詳しくお話ししました。
MCTオイルは脂肪酸(中鎖脂肪酸)100%の油です。上の図でいうところの「細かい枝」にあたります。薪割りの必要もなく、すぐにケトン体に変わる分、肝臓に対する負担は少ないと言えるでしょう。
また、参考書籍内にて著者である宗田哲男氏は糖質制限を行い、ケトン体を増やすことで1ヶ月でγGDP(肝臓の数値基準値は50IU/L)を288IU/Lから110IU/Lに改善させたといいます。
これはMCTオイルによって、β酸化などの肝臓内でのTCA回路を抑制したことで、肝臓の負担が減ったこと。また、グルコースが減ったことで脂肪肝などのリスクが減ったことなどが理由なのではないか?と思われます。
他にもMCTオイルと糖質制限にて、γGDP・GOT・GPTの数値が改善されたとの話もあります。
つまり、MCTオイルは肝臓に負担がかかるどころか、肝機能の改善に効果的と言えるでしょう!
MCTオイルで肝臓に負担が?効果的な使い方とはまとめ

かなり専門的なお話しを交えて解説させていただきました。
肝臓でのエネルギー生成においてMCTオイルは速やかにエネルギーの変わるため、確かに負担は少ないです。
しかしMCTオイルが肝臓にすぐに送られることは確かではあります。もし肝機能に症状がある場合は、過剰なMCTオイルの摂取は控えるべきでしょう。
目安は小さじ一杯、もし不安であればかかりつけ医に相談の上で使用することをお勧めします。
MCTオイルで肝臓に負担が?効果的な使い方とは 参考書籍

コメント